「自己都合退職」「会社都合退職」の違い

失業保険
「自己都合退職」と「会社都合退職」の違いについて書きます。

定義

自己都合退職

自分の意思で退職を申し出る場合、「自己都合退職」となります。
具体的には、以下のようなケースです。
・転職
・労働契約の内容外の理由(職場の人間関係がイヤ、仕事がキツイ など)
→セクハラ、パワハラ等は会社都合退職になる場合あり(後述)
・家庭の事情(引っ越し、結婚、出産、介護 など)
・ケガや病気

家庭の事情、ケガや病気の場合、”特定理由離職者”という扱いとなり、「会社都合退職」と同等の扱いとなる場合があります。

また、懲戒解雇の場合、失業手当においては、「自己都合退職」と同等の扱いになります。

会社都合退職

会社の都合で退職せざるを得なくなった場合、「会社都合退職」となります。

具体的には、以下のようなケースです。

・倒産
・事業所の廃止
・事業所単位で1カ月に30人以上の離職予定、もしくは会社の3分の1を超える人の離職
・事業所の移転で通勤困難となった
→厚生労働省では、往復4時間以上が目安のようです
→労働契約で、”転勤あり”の記載がある場合や、就業場所の場所が限られていない場合、このケースには当てはまりません

離職を余儀なくされたという場合も「会社都合退職」の扱いとなります。
具体的には、以下のようなケースです。

・解雇(労働者側に落ち度がないにも関わらず、一方的に解雇された)
・実際の労働内容と、労働契約の際に明示された内容とが大きく異なる
・賃金の遅配、未払い
→給料(賃金)の額の1/3を超える額が給料日(支払い期日)までに支払われない月が”連続で2ヶ月以上”となった
→給料(賃金)の額の1/3を超える額が給料日(支払い期日)までに支払われないことが、”離職の直前6ヶ月のうち3ヶ月以上”あった
・賃金の減額
→給料(賃金)が85%未満に低下したが、1年より前にはその事実が予見できなかった
・過剰な時間外労働
→離職直前の6ヶ月のうち3ヶ月連続して月45時間を超える時間外労働があった
→離職直前の6ヶ月のうち100時間を超える時間外労働があった月が1ヶ月でもあった
→離職直前の6ヶ月のうち2ヶ月~6ヶ月平均で月80時間を超える時間外労働があった
・産前産後休業、育児休業、介護休業等の取得に関して、不利益な取り扱いをされた
→正当な理由なくこれらの拒否をされた
→これらの申し出、取得を理由に不利益な取り扱いをされた
・労働契約の際に明示された職種とは別の職種を命じられ、賃金も低下した
・期限付きの労働契約で、契約更新の確約があるにも関わらず、契約更新されない
・セクハラ、パワハラを受けた
→特定個人を対象とした故意の配置転換、給与体系の変更
→セクハラを会社の機関に相談したが、改善されなかった
など

失業手当(失業保険)

以下の条件によって、失業手当がもらえる日数(給付日数)が変わります。
①「自己都合退職」or「会社都合退職」
②年齢
③雇用保険の被保険者期間(加入期間)

失業手当については、「会社都合退職」の方がメリットが大きいです。

③については、複数の会社での被保険者期間を合算できます。
離職後、失業手当をもらわず、すぐに新しい会社に転職する場合は、離職した会社と新しい会社の分を合算できます。
例えば、会社Aに5年間勤めたあと、会社Bに転職して6年間勤めて離職した場合、合計した11年が被保険者期間となります。
ただし、会社Aを離職したあと、失業手当をもらっていれば、会社Aでの被保険者期間はその時点でリセットされます。
そのため、会社Bを離職した時点では、会社Bでの6年間のみが被保険者期間となります。
被保険者期間が短い場合、失業手当をもらえないこともあるので、注意しましょう。(期間については後述)

②、③については、離職時期によって当てはまる条件が変わることがあります。
離職時期を自分で調整できる場合は、時期を考慮した方がよいかもしれません。
「あと1ヶ月待てば、給付日数が増えたのに…」なんてこともあるかも。

自己都合退職

「雇用保険の被保険者期間期間が、過去2年間に12ヶ月以上ある」ことが、失業手当給付の条件となります。

給付日数は以下の通りです。

3ヶ月の”給付制限”が課せられます。
“給付制限”とは、失業手当を受けることができない期間のことで、初めの3ヶ月間失業状態にあっても、この期間分の手当はカウントされません。

会社都合退職

「雇用保険の被保険者期間期間が、過去1年間に6ヶ月以上ある」ことが、失業手当給付の条件となります。

給付日数は以下の通りです。

“給付制限”はありません。

コメント

  1. […] 退職にあたり、自己都合/会社都合退職の違い、失業保険についてなど、色々と調べてから退職の意向を伝えました。 この辺りは別の記事で書きます。  →自己都合/会社都合退職の違い […]

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